青森山田高校サッカー部は、冬の全国高校サッカー選手権大会に1997年・第76回大会から2020年・第99回大会まで24年連続出場する強豪校です。
第79回大会でベスト4、第88回大会で柴崎岳選手を擁し準優勝しましたが、そこから中々上位に食い込めませんでした。
そして、第94回大会のベスト4をきっかけに選手権で常に上位に食い込むようになり、第97~99回大会は3年連続優勝争いをしています。
第97回大会は壇崎竜孔選手とバスケス・バイロン選手の圧倒的な攻撃力を武器に優勝、連覇のかかった第98回大会は決勝戦で静岡学園高校のドリブルを主体とした攻撃力に屈した印象です。
最近、高校サッカーは、青森山田高校が強すぎてつまらないといった声が聞こえ始めています。
また多数の高校が導入するロングスローにも賛否の声がわきがっています。
青森山田高校のサッカーは球際で非常に厳しく、常に選手が諦めない姿勢で戦っているので試合を見ていて非常に熱いものを感じます。
そこに戦術とテクニックが加わっているので、対戦相手はたまらないでしょうね。
大会を盛り上げるためには強豪校は必要であり、常に優勝争いをするライバル校の出現を期待します。
パスやドリブルを主体とした昌平高校、帝京長岡高校、興国高校、前橋育英高校、静岡学園高校のようなチームに頑張って欲しいと思います。
コロナ影響で試合数が少ない中では難しいですが、たくさんの試合をして完成度を高め冬の選手権に臨んでほしいです。
第98回大会で青森山田高校に敗れた昌平高校、帝京長岡高校は、第99回大会ではパスサッカーに球際の強さが加わり進化した印象です。
一方の青森山田高校も前回大会で敗れた悔しさから第99回大会では、戦い方のバリエーションが増えてチームが進化していることがうかがわれます。
第98回大会では後方から前線にボールを蹴り込むシーンが多かったように思いますが、第99回大会では後方からパスをつなぐ、サイドチェンジ、サイドから崩すなど相手によっても戦い方を変化させています。
ここ3年はボランチにゲームをコントロールできる選手がいて、戦術もしっかりしています。
ボランチを務めるのは、第97回大会は天笠泰輝選手、第98回大会は古宿理久選手、第99回大会は宇野禅斗選手です。
ロングスローについても、有効に使えるチームは使えば良いし、単調にならないよう使い分けをして進化していって欲しいと思います。
1回転してロングスローをするハンドスプリングスローも久しぶりに見てみたいですが、そこまでしなくても最近の高校生のロングスローはよく飛んですごいですね。
青森山田高校のトップチームはプレミアリーグEAST、2nd・セカンドチームはプリンスリーグ東北、3rd・サードチームは青森県・U18サッカーリーグ1部、4th・フォースチームは青森県・U18サッカーリーグ2部に所属しています。
青森県予選決勝で対戦する野辺地西高校は、青森県・U18サッカーリーグ1部所属ですので、通常は青森山田高校は3rdチームと対戦しており、青森山田高校の選手層がいかに厚いかが良く分かります。
青森山田高校は、これまで柴崎岳選手、郷家友太選手、三國ケネディエブス選手、天笠泰輝選手、古宿理久選手、武田英寿選手など多数のプロ選手を輩出しています。
しばらく青森山田時代は続きそうですが、日本サッカーのレベルが底上げされることを願っています。